5カ月前のレースの回顧録なので、覚えている範囲で書いてます。
100kmマラソン完走、40kmトレラン完走、サブ4かつ30kmトレラン完走、このどれかを満たすことがエントリー条件。過去4回の同大会では、途中の6つの関門と最終関門でタイムリミットに引っ掛かった半数ほどの選手が強制終了となるサバイバルレース(約70km)です。
数年前にこのレースを知ったときは、「キツそっ!アクセスわるっ!ありえへんっ!」ってのが正直な感想でしたが、なんとなく心のなかに『憧れ』みたいな気持ちがあった。
なので、一番緩い「40kmトレラン完走」をクリアしただけだったけど(比叡山インターナショナルトレイルランニング50km)、えいっ!とエントリー。そんなレースなんで自分は確実に当落線上、いやいや、どっぷりリタイア組ど真ん中。
エントリー後、レースが近づくにつれて不安も増してきたので、それなりに練習し、自分としては過去最高の月間250km走ったり。それでも他の参加者のアベレージからすると全然大したことないみたいだけど。そんなこんなで、自分なりにできる練習をこなして、いざ本番へ!
前日受け付けのために4/6から車で移動。受け付け後は最寄りの道の駅「もっくる新城」で車中泊の予定なんで、まず寝床の様子を視察して、本場の五平餅を頂く。
うまし。「半分青い」を見て食べてみたい!と思ってたやつ。棒が幅広で長いんで真ん中辺りが食べにくいけど。更にソフトクリームも食べてから、一旦その場を離れて大会の受け付け場所「湯谷温泉」に向かう。
受け付けへは自分の車で直接は行けず、所定の場所「ふれあいパークほうらい」から大会が用意してくれたバスに乗っていくんだけど、この車中で隣になったSBTさんから声をかけて頂きました!彼も比叡山を走ってる(自分よりずっと速い)と知って、話が盛り上がりました。
受け付けではレインウェアのチェックが厳しかった。モンベルの軽量のサイクル用レインを持っていったんだけど、ギリOKだったみたい。いざというときのためにストームクルーザーも持ってたんで心配はなかったんだけど、大会開催側の真剣さが伝わってきた。
受け付けと石川氏によるブリーフィングを終え、寝床(道の駅)に戻ってお休み、、、
のはずが、気が高ぶってて全然寝られない!慣れない車中泊でもあったし、一睡もできそうになかったので、未明の2時頃にはあきらめて、再び「ふれあいパークほうらい」へ。更にそこからバスでスタート会場の「茶臼山高原スキー場」へ。
ランナー待機用の建物内で準備を整えてスタートを待つ。徐々にランナーがスタート地点に集合しつつあるなか、最後にトイレを済ましてから僕もスタート地点へ。ここで昨日知り合ったSBTさんと合流。おかげさまで不安感がなくなってワクワク感がアップ!二人でスタートを待ちます。
標高1000m以上のスタート地点には残雪がありました。けどその後、レースが始まると昼間は23℃まで上がって、そのギャップにも苦しみました。
早朝06:00、一斉にスタート!
このコース、主催者発表では前半36kmの第3関門までは走れるトレイルで、後半はアップダウンが非常に厳しいよ、と。だから後半のために前半は脚を温存するようにね、と。
いざ走ってみると前半から結構なアップダウンだしみんなそこそこハイペース!第1関門(つぐ高原)を過ぎ、早くも16kmあたりからあちこち脚がツリ始める。その時点で「やっぱり完走なんてむりかも、、、」って。
第2関門(碁盤石山)からは、ながーい下り。僕の想定では気持ちよくサーッと快走するはずだったんだけど、なにがなにが。下りに入ったとたんにまた脚がつるはつるは、、、とても走れる状態ではなく、だましだまし歩いて下るはめに。事前の情報では、この下りを走りすぎると着地衝撃で脚が終わるんでスピード上げすぎないように、ということだったけど、そもそも走れないし。(ここを走れてたらなー)
脚を引きずりながらも第3関門(小松)まではなんとか到達。キュウリやミニの五平餅を頂きリフレッシュ。まだ関門の時間までには余裕があったので、内心戦々恐々としながら、前評判で「やばい」と言われてた後半のトレイルへ。
実に前評判通り!!
むちゃくちゃなトレイルを走らされます。あまりにも苛酷なので、次の第4関門(四谷千枚田)で止めたい衝動にかられる。「第4関門までいけば格好付くからリタイアしてもいいんちゃう?」、「リタイアしたら明るいうちから温泉入れていいやろなー」なんて考えが何度も頭をよぎります。
そんなこと考えてると第4関門の手前数キロのところで、歩いてるSBTさんに出会いました!ずいぶん先に行ってると思ってたんだけど。どうやら膝の腸脛靭帯を痛めたらしく、苦しそう。
「膝痛めたんで次の関門てリタイアします」って。残念だけど、無理して怪我が酷くなってもいけないし、しょうがないんだと思う。リタイアされるのは残念だけど、山中で再会できたのは僕にとって「元気」になりました。
「じゃあ先に行きます!気を付けて!」
「まだまだ完走ペースですよ!がんばって!」
声を掛け合って別れました。この出会いのおかげで、リタイアしたい気持ちを払拭し、自分はケガらしいケガはないんだし、時間のある限りゴールを目指す強い気持ちに切り替わりました。
第4関門(四谷千枚田)ではたくさんのランナーが休息してましたが、あまり猶予がないはずだからと、レッドブルを一杯もらってすぐ出発。第5関門(棚山高原)とか、もう覚えてないけど、ここもクリアー。
走ってる間は、事前に想定してた関門の間のラップタイムを目標にしてた。
第5関門を過ぎて少しすると日が落ちてきて周りはどんどん暗くなり、ヘッデン点灯しての夜間走になる。ヘッデン頼りでの鳳来寺山への登り下りはキツかった。5人くらいの小集団で走ってたが、先頭は先が視認しにくいのでみんな嫌がるせいで、ずっと先頭を走らされるはめに。
走りながらヘッデンの狭い照射範囲で足下の着地ポイントを数歩先まで把握しなければならないので、すっごい集中が必要。なんどもゴロゴロの石に引っ掛かって体勢を崩して転びそうになりつつ、なんとかリカバーして大事にならずに済む。むちゃくちゃ大変だけどこれはこれで面白い。
第6関門はヤバかった。それまで関門時間を意識してなかったんだけど(区間のラップは気にしてた)、関門手前のスタッフさんが叫ぶ!
「関門まであと200m! 時間は2分もない!走れー!!」
えーっ!?いつの間にそんなことになってんのっ!?
私を先頭に集団でいた5人ほどが一斉にダッシュ!しかも関門直近に登り階段あるし!ダーッ!と走ってヒーヒー言いながら階段登って。
その結果、前から3人だけが関門通過(タイムリミットの2秒前!)。通過直後に振り返ると、一緒にダッシュした残り2人はそこでスタッフに抱き止められて強制終了となったようです。ここまできて、、、悔しいだろうな。特に会話したわけではなかったけど、しばらく同じ集団で走った仲間みたいなものなので、彼らの分もがんばろう!て気になった。
さあ、途中にある最後の関門をクリアした!正直、ここまで来れるとはホントに思ってなかったけど、こうなったらゴールするぞ!ここまでこれたらもうゴールできるだろう!(って思ったのが間違いでした、、、)
現時点で19時ピッタリ。最終ゴールまでの残り時間は30分。でも制限時間内にゴールしようと思ったら、第6関門を少なくとも18時45分までに通過しなければ、とてもじゃないけど間に合わない!(って後で分かった、、、)
そんなこととはつゆ知らず。
さて、第6関門からゴールまでも思い出に残る走りになりました。コース途中の岩古谷山や鳳来寺山とかがしんどい・辛いと聞いてたけど、結果、第6関門をダッシュで滑り込んでからゴールまでが一番しんどかったかも。ここまで60km以上走ってきたが、それでも最後のこの区間は残る限りの走力を振り絞って走るしかありません!ダッシュ直後にもかかわらず。
しかも、19時過ぎの山道なので真っ暗なところをヘッデン1つが頼りです。この状況で、自分でもビックリするくらいのスピードで走りました。後ろから二人がずっと付いてきて、またまた3人で真っ暗闇を激走です。
足下はガレて浮き石もあるし木の根も複雑に伸びて、昼間でも歩くのに神経使うような道を、飛ぶように駆け抜けました(自分ではそう思ってる)。走りながら興奮して集中力アップしたようです。
しかし、最後の林道の途中でタイムアップ!19時30分になってしまった。
その後、力尽きて歩いたり走ったりしながらゴールへ。タイムオーバー。
・2019/04/07 第5回奥三河パワートレイル・by Relive
(走行ルートを3Dで見れます)
でもリタイア確実と思ってたレースで、自力でゴール地点に辿り着けたことは少し自信になったかな。
ゴール後、遅くなったにもかかわらず迎えてくれた大会プロデューサーの石川弘樹氏とツーショット!やった!