10月の三連休を利用して家族3人で白馬岳を目指して行ってきました!(目指して…)
今年7/31-8/2にも白馬岳を目指したんですが、初日は栂池ルートで白馬大池・テント泊した後、2日目は白馬岳ピストンするつもりが、なんとっ!小蓮華山の少し手前で折り返して日中快晴のもと再び白馬大池でまったり過ごしてしまいました(またテント泊し、3日目に下山)。
これ↑、前回、白馬岳へ向かう途中の小蓮華山手前辺り。この天気ですよ!今思えば白馬岳まで行かなかったのが非常にもったいない…
申し分ない天気なのに、なんで早々に引き返したか?その日は未明から歩き始め、日が出てから暑くなって疲れてきたので、白馬岳までの往復するのに体力不足を危惧したってのも引き返した理由の1つのでしたが、当時の心情をよくよく考えると、
・「初テント泊が楽しかった」
・「夕方に大雨が降るなかでのテント泊も非日常的」
・「テント場で食べたヤマメシ(豚鍋うどん)が旨かった」
・「夜中トイレに行くときに見た満点の星空に感動(天の川も見えた!)」
・「2日目歩き始めてから見たご来光が素晴らしかった」
などなど、初モノ尽くし・感動尽くしで、もう満足してしまった感があったんだな、と思います。なので、また次の機会に行ければいいやと、意外にあっさりと途中で引き返してしまいました。
あの日の天気を考えると「あ~もったいない!」って。まあ、いまだからそう思うんだろうけど。
今回はそのリベンジ!蓮華温泉登山口から登って白馬大池でテント泊、そこから白馬岳までピストンして白馬大池でまたテント泊、そして蓮華温泉に下山、という計画です。
◆10/7fri
20:45自宅を出発し、京滋バイパス、名神高速、北陸自動車道を走る!
順調!
◆10/8sat
糸魚川で北陸自動車道から下道に下り、国道148で姫川沿いに南下、途中から林道に入って約20km、蓮華温泉の無料駐車場に3時半頃到着!
雨! 雨…
高速を走ってるときも降ってましたが、「到着する頃には止むんちゃう」って思ってました。
自宅から持ってきたおにぎりと、途中のコンビニで買ってきた汁物とで朝食にしながら「雨止まんかなー」と待ちます。でも小降りになったり強くなったり。
何時頃だったか夜明け前にトイレに行ったとき、雨が止んで空の一部だけ雲が抜けて、オリオン座が見えました!このまま晴れてちょうだいっ!
願いも虚しくまた降り始める。夜も明けてきて明るくなってくるけどまだ安定の雨。そうこうする間に同じく車内で待機してたらしい4人ほどの登山者が雨の中を出発していきました。
ええいっ!行こう!
ってことで、相変わらず雨が降るなか出発!
車から荷物を担いで一旦駐車場傍のトイレの軒下に入り、ここで態勢を整えてから、Let's go!!
今回の私の荷物は17kgほど。前回とほぼ同じですが(軽量化したはずなんだけど…)、少し慣れたせいか前回ほど重く感じません。
07:45 標高1426m
標高はカメラでの測定値です。
蓮華温泉の山荘の裏側に登山口がありますので、そこへ回り込みます。雨が降ってても歩き始めるとナンカタノシイ(笑)
歩きやすい登山道です。栂池ルートは大きな岩が多くて苦労したんで、こっちのルートはこの調子でずっと歩きやすいといいなあ、とか思いつつ。
蓮華温泉の外湯と白馬大池方面との分岐。(下山したら温泉だ!)
足下が濡れて滑るところもあるんで、みんな気を付けて歩きます。ところどころ、山側から水が流れ込んできて登山道が川になっています。そういえば、これまでの登山で雨の中を歩くことはなかったなあ。
丸太3本橋。娘はちょっと怖そうにしてましたが無事クリア!
雨か霧(モヤ?)で視界がぼやけます。カメラのレンズに水滴が付いて写真もぼやけます。下手なだけかも。
雨の森っていうのも、なんとなく神秘的というか、幻想的というか、人知が及ばない超自然的な感じがします。
08:20「蓮華の森」
後の樹の幹がすごいな。(トリのモモ肉にも見える…)
雨ニモマケズ、ずんずん進む。
つづら折れを登る。ピントが合ってない。
この写真はレンズに水滴が付いてた!レインジャケットのポケットにカメラを入れてるんだけど、毎回取り出すたびにレンズが濡れてる。
こういう石畳風の道が整備されてるところは歩きやすい。
標高1993m
550mほど登ってきました。森の雰囲気が少し変わってきた感じがします。
標高的にはそろそろ「天狗の庭」かな?
標識はっけーん!
10:02「天狗の庭」標高2006m
景色はなーんにも見えません。天気が良かったらどんな光景が見えるんだろう?
足下の石が大きくなってきて少々歩きづらい。
相変わらずの雨で、登山道は大部分で川化してます。
標高2080m
濡れた岩肌に気を付けないといけないんで下ばっかりを見がちですが、顔を上げると木々の紅葉が。ここは秋ですねー。
ん?トラバースしてる道の途中を川というか滝?が交差してる…
写真ではたいしたことなさそうに見えるけど、水量や勢いがまあまああるし、片側は崖っぷちなんで、慎重に行かなければ!
両手も使って確実に進みます。
11:05 標高2146m
木製の短いハシゴ
えっちら、おっちら
がんばって登ります。
ここにも紅葉が。
12:11 標高2323m
相変わらず川の道ですが、周りが開けてきた!
おおっ!この雰囲気はもしや!?
ガスの向こうに見えるは、白馬大池山荘!
到着だ!
12:17 標高2341m 「白馬大池山荘」
距離約5km、標高差約1000m、約4時間半 でした。
初めて雨の中を登って、川化した道だったり、写真撮ってなかったですがほぼ垂直の岩登り(高低差3mほどですが)の箇所が滝登り状態で苦労したり、と色々な試練があったんで、軽い達成感!今日はここでテント泊だ!(テント泊者一番乗りだった)
しかし、ここから試練パート2の始まりでした。しかも、パート2の方がフィジカル的にもメンタル的にもハード。
それは「寒さ」との戦い!
ここまで雨の中をひたすら白馬大池を目指して登ってきて、雨はレインウェアで防げたけど登りでカラダから出た汗は発散しきれず、レインの中のウェアや手袋はヌレヌレ。
現在の白馬大池の気温は、
約5度
歩みを止めたとたん、汗冷えが急激に襲ってきます。3人とも確実に「寒いっ!」って顔してます。とにかく着替えをして暖かい食事をしなくては!
コロナ禍で当然ですが、山荘の自炊室は使わせてもらえません(一応、山荘の人に尋ねてみた)。なので、ごはんを作るにも、暖かい飲み物を作るにも外でするしかありません。
とりあえずテントを張ろう!
娘に山荘のテント受け付け小屋で荷物番を頼み、テント装備だけを持って妻と2人で設営に。寒い寒い!手もかじかんでうまくモノを持てません。ペグも持ちづらいし、ハンマー代わりに石でペグを打つのもおぼつきません。が、なんとか協力してテント設営完了!娘に手伝ってもらってマットを敷きザックを放り込んで我々もテント内へ逃げ込む。
テント内も暖かくはありませんが、外の冷気を若干防いでくれ、冷風にさらされることもなく、3人のカラダの熱もあって少しマシ。早速お湯を沸かしてコーヒーやココアを入れて頂きます。
バーナーで火を使うとすぐにテント内が暖かくなります。ホッとしますねー。けども火を消すとまたあっという間に冷えてきます。寒さとの戦いです!
寒いので出入口を閉めて引きこもり、明日の白馬岳アタックのための荷物整理。そうこうしてると、他のテントも増えてきたようです(音で判断)。また、夕方近くになって雨が止んだようです。
16:37 小蓮華山方面
日没に近づくにつれてどんどん気温が下がってるようです。
外はもう氷点下
とにかく寒くてテントから出る気がしないので、トイレ以外は完全に引きこもりですw。明日のためにも早々に18時には夕食(親子丼、ソーセージ)にして、フリースもダウンジャケットも着てシュラフに潜りこんで、おやすみ…
寝れん!
そう。ぜんぜん寝られません。それどころか私の場合はガクブルですw
というのも、汗で濡れた衣服のままだったんで。なぜかというと、2日目は未明から行動する予定なんで絶対寒いと思ってたんだけど、初日も意外と寒かったんで2日目用のロングシャツとフリースを着て行動し、そのせいで濡らしてしまいました。これらを乾かさないと白馬岳アタックは無理!しかし乾燥室は使えないしテント内に干しても絶対乾かない。
どうする?誰かのブログで読んだ覚えがある、「着たままにして自分の体温で乾かす」しかない、と判断。おかげで自分の体温が常時奪われるので、もう寒い寒い。体温生成のため食事もオヤツもしっかり食べてエネルギー不足にならないようにしました。それでもシュラフに入ってもガクブルが収まりません。寝る前に作った湯タンポにしがみつきます。時計を見るとまだ18時40分だったり、19時だったり。日の出まで気温は下がっても、今より上がることはない。もう睡眠はどうでもいいから早く夜が明けて、太陽さん、暖めてくれー!
すでに白馬岳アタックは頭にないやんw
朝までまだまだ長いよー。がんばれ俺のカラダ!せいぜいガクブルしまくって熱をどんどん作れー!な感じで自分を応援しつつ、シュラフ内でモゾモゾしてました。するとシュラフに潜りこんでから2時間、20時頃になってピタッとガクブルが止まった!着てた衣服もほぼ乾いたようです。「やーれやれガクブルも疲れるなーw」と、少し勝利した気分(何に?)。
もしや明日は白馬岳アタックできるのかも?と思いましたが、そういえは3人の手袋、絞って水がズシャーっと出るほど濡れてた(防水だと思ってたら違った…)。濡れた手袋で、この環境下での白馬岳アタックは非常に危険。ってことで、3人の手袋を重ねて頭の下に。頭って結構熱を発してるんですよね。枕代わりにもなるし。
◆10/9sun
朝1:30
セットしてもらった妻の携帯電話の目覚ましが鳴る。あれからもほぼ寝られず。ガクブルは収まったんだけど冷えは相変わらずで、特に膝から足先が冷えて寝られません。妻と娘も足が冷えて、断続的にしか寝られなかったようです。手袋もまだ湿気てたし、この真冬なみの環境(自宅の日常生活なら真冬以上)で今回の装備と今の体調を考えると、白馬岳アタックはリスキーと判断。
「ムリ!」、「ネル!」
と宣言。2人も同意w
起きたついでに順番に極寒のトイレへ。テントは内面もバリバリに凍ってます(外面も当然バリバリ)。ひゃー!すごーい!なんか楽しーい!
月が出てて外も明るい。シャッターを長時間開けてたらトイレから帰ってきた娘の手(懐中電灯あり)が写りこんでしまったよ。
トイレ済ませたんで今度こそ寝るぞ!こうなったら下山して蓮華温泉にちゃぷーんと入るのが楽しみ!
その後夜明け頃に1-2時間眠ることができました。6時に再び目覚ましで起きて、朝食をとります。とにかくしっかり食べて、体内で熱をたくさん作れるようにエネルギーを蓄えます。それから荷物の片付け。テント内の結露であちこち濡れてるんで、タオルで一つ一つ拭きながら。地面が凍ってるんでペグを抜くのも一苦労。
8:50 さて、テントも撤収!
なんだかんだで、起きてからもう3時間近くw
でもこの時間でもまだ他のテント残ってる。ちなみに、下の写真で手前に設営されてたお隣さんテントの方は、早朝3時頃に片付けて白馬岳へ出発されてました。初日は栂池から来たそうですか、あちらも登山道が川化してたって。
考えてみたら前回(小蓮華山手前でUターン)より手前でUターンすることに。でもあまり悔しくはありません。3人で記念写真。寒さから娘が若干固まってます!
ほら、姿勢かわらず。
ここでも同じポーズw
寒かったもんねー(笑)
9:45下山、開始!
この日は曇天でしたが(ときどき晴れ間も)、近くにガスがなかったので、行きに見れなかった景色が見れました。
10:32日本海方面
小蓮華山だろうか?雪倉岳?
ここ、ここ!昨日、滝登りを強いられたとこはここ(標高2140m)です。今日はぜんぜん水がなく、滝だったとは思えません。雨か否かで全く様相が変わりますね。
左が小蓮華山(2766m)で右が鉢ヶ岳(2563m)かな?
焦点合ってないですが、可憐な実~
11:35 標高2089m
森を抜ける雰囲気
一気に展望が開けました!
12:19 「天狗の庭」
少し下りると天狗の庭でした。
行きはガスガスで全く視界がありませんでしたが、こんな景色だったんだー
左から小蓮華山(2766m)、鉢ヶ岳(2563m)、雪倉岳(2610m)、朝日岳(2417m)、が写ってるはず。
14:04 蓮華温泉登山口に下山
無事に下山しましたー!
車に戻って、重い荷物を下ろし、登山靴を脱いで、としてたらポツリ・ポツリ…
急いで荷物を片付けて車内に入ります。ほっとして、白馬岳で食べる予定だった菓子パンを、暖かいコーヒーやココアを飲みながら頂きました。
それにしても、絶妙のタイミング!ギーリギリ雨に濡れずに済みました。下山途中にまた雨にあってたらダメージ大きかっただろうなあ。ラッキーでした。
温泉へ、Go!
そして、蓮華温泉で日帰り湯を頂きに。内湯の他に絶景の外湯がありますが、雨なので内湯に。内湯でも大きなガラス窓から朝日岳を眺められました。
少し熱めの湯がカラダを芯から温めてくれて、生き返ります!登山後の温泉、最高!!
こちらは湯上がり後に食堂から撮ったものですが、同じ景色が内湯からも見られます。
妻と娘が上がるのを待ってる間に、バンダナとバッジを購入。いい記念品です。
さて、安全運転で帰りまーす!
途中の有磯海サービスエリアで夕飯を食べて、2回ほどパーキングエリアで仮眠し、日付け変わってからの帰宅となりました。
帰宅後
翌日は後片付け大会!
テントもベランダで組み立てて乾かしつつ汚れを拭き取ります。ああいい天気。こうしてるとまたすぐにでもアルプスに登りに行きたく思いますが、次回は来年に。
洗って天日干し中のシューズ達。
今回はまた色々と新しい経験ができて無事に帰ってこれたので、目標の白馬岳にはまたもや到達できなかったけど思いのほか満足度が高い山行になりました。
氷点下でのテント泊がどんなものか、それに必要な装備は何か、濡らしてはいけないもの、濡らさないようにするには、食事の量は適切か、などなど、山行前にいつも考えることなんですが、その適否の判断基準が自分勝手になってたんで、それを改めるための経験値を得た感じです。
また次が楽しみです。
次こそは白馬岳に登頂するぞ!